実家に帰ったとき、親が頭をボリボリ掻いている姿を見て、ドキッとしたことはありませんか?
「フケが出てる…もしかしてお風呂に入ってないの?」
「布団が汚れるから、ちゃんと洗ってよ」
つい、そんな言葉をかけてしまいがちですが、ちょっと待ってください。
現場で10年見てきた私からすると、そのかゆみの原因は「不潔だから」ではなく、むしろ「洗いすぎ」かもしれません。
高齢者の肌は、私たちが想像する以上に「超・乾燥」しています。
そこで市販の強力なシャンプーを使うと、必要な油分まで根こそぎ奪ってしまい、かゆみの悪循環に陥るのです。
この記事では、専門家の視点で以下を解説します。
- なぜ、洗っているのにかゆいのか?
- 今日からできる「3つの解決策」
- ドラッグストアでは見つけにくい「正解シャンプー」
親御さんの「かゆい!」を止めるために、まずは毎日のシャンプーを変えることから始めてみましょう。
「頭皮だけでなく、背中やスネも痒がっている場合は、こちらの記事で紹介している保湿クリームも試してみてください。」
【介護視点】高齢者の「かゆみ」は乾燥が原因!背中・スネに効く市販の保湿クリーム・ローションおすすめ4選
なぜ高齢者の頭皮はかゆくなるのか?
結論から言えば、高齢者の頭皮トラブルのほとんどは「乾燥(皮脂欠乏)」が原因です。
1. 加齢で「あぶら」が枯れていく
私たちの肌を守っている「皮脂(あぶら)」は、年齢とともに急激に減少します。
特に65歳を超えると、若い頃の半分以下になることも珍しくありません。
地面が乾燥してひび割れるのと同じように、頭皮も乾燥してバリア機能が壊れ、少しの刺激で猛烈なかゆみを感じるようになります。
2. 「スッキリ」が逆効果に
多くの高齢者は「頭がかゆい=汚れている」と思い込みがちです。
そのため、洗浄力の強い「スッキリ系シャンプー」で、ゴシゴシ洗ってしまいます。
しかし、これは「乾燥した肌に洗剤を擦り込んでいる」ようなもの。
必要な皮脂まで奪われ、さらに乾燥が進み、かゆみが増す……という負のスパイラルに陥っているケースが現場でも非常に多いのです。
介護福祉士が教える!シャンプー選びのポイント
では、どんなシャンプーを選べば良いのでしょうか?
私が職業柄、そして趣味の製品リサーチでたどり着いたポイントは以下の2点です。
① 「アミノ酸系」を選ぶ
パッケージの裏を見てください。
「ラウリル硫酸〜」などの成分が入っているものは洗浄力が強すぎます。
おすすめは「アミノ酸系」です。
洗浄力が穏やかで、必要な皮脂を残しながら汚れだけを落としてくれます。
② 「保湿成分」入りを選ぶ
セラミドやヒアルロン酸など、肌に潤いを与える成分が入っているものがベストです。
プロが推奨する「乾燥対策」アイテム2選
「成分表を見るのは難しい」という方のために、私が自信を持っておすすめできる、「乾燥かゆみ対策」の鉄板アイテムを紹介します。
どちらもドラッグストアの特売コーナーにはあまり置いていませんが、効果は折り紙付きです。
【シャンプー】コラージュフルフル ネクスト(うるおいなめらかタイプ)
介護や医療の現場でもよく使われる、低刺激シャンプーの決定版です。
- 特徴: 抗カビ成分が入っており、かゆみの原因菌を抑えつつ、アミノ酸系洗浄成分で優しく洗えます。
- 選び方: 青いボトルの「すっきり」ではなく、赤いボトルの「うるおいなめらか」を選んでください。ここが重要です。
【保湿】キュレル 頭皮保湿ローション
「シャンプーを変えてもまだ痒がる」という場合、決定的に保湿不足です。 顔をお風呂上がりに保湿するように、頭皮にも化粧水が必要です。
- 特徴: ノズルが直接頭皮に届くので、髪を濡らさずに塗れます。
- 使い心地: ベタつかず、サラッとしているので、高齢の男性でも嫌がりません。
おすすめのケア方法(実践編)
道具(シャンプー)を変えたら、次は「使い方」です。 今日からお風呂で実践できる3つのコツをお伝えします。
1. お湯は「ぬるめ」で(38℃前後)
熱いお湯は気持ちいいですが、皮脂を一瞬で溶かして流してしまいます。少しぬるいと感じる37〜38℃が適温です。
2. 爪を立てず「指の腹」で
「かゆいところはないですか?」と美容室で聞かれるようにゴシゴシ洗うのはNGです。
豆腐を触るような優しさで、指の腹を使って頭皮を揉みほぐすように洗ってください。
3. すすぎは「しつこいぐらい」に
シャンプーが頭皮に残っていると、それが刺激になってかゆみを引き起こします。
「もう落ちたかな?」と思ってから、さらにあと30秒流すように声をかけてあげてください。
注意点:こんな時は病院へ
この記事で紹介したのは、あくまで「乾燥によるかゆみ」のケア方法です。
もし、頭皮を見て以下のような症状がある場合は、自宅ケアで粘らずに皮膚科を受診してください。
- 血が出るほど掻きむしっている
- 黄色い汁(浸出液)が出ている
- 赤く腫れ上がっている
- 広い範囲に湿疹がある
これらは感染症や皮膚炎の可能性があります。
医師の診断を受け、処方薬を使いましょう。
まとめ:親の「かゆみ」は優しさで治す
最後に、今回のポイントをまとめます。
- 高齢者の頭皮かゆみは「乾燥」が主な原因。
- 洗浄力の強い市販シャンプーは避け、「アミノ酸系・保湿タイプ」に変える。
- お風呂上がりには「頭皮用ローション」で保湿をする。
親御さんが「頭がかゆい」と言っているのは、身体からのSOSです。
「高いシャンプーなんてもったいない」と言うかもしれませんが、「お父さん(お母さん)の肌を守るために必要なんだよ」と、プレゼントしてあげてください。
その「やさしい手間」が、親御さんの快適な毎日を作ります。
が、頭に手を当てて「スッキリして気持ちいい」という表情で微笑んでいる写真。.jpg)





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