「親が外出時に少し足元がおぼつかなくなってきた」 「歩くときに、荷物を持つのが大変そうだ」
そんな時、「シルバーカー」があれば、歩行の助けになり、荷物も運べて便利ですよね。 しかし、いざ楽天で探してみると、形も価格も様々で「どれが親に合っているのか分からない」と悩んでしまう方も多いです。
シルバーカーは、ご本人の身体状況や使用目的に合わないものを選ぶと、かえって転倒のリスクを高めてしまう危険もあります。
この記事では、「シニアの暮らし快適ガイド」として、シルバーカー選びで失敗しないための重要なポイントと、楽天で買える本当におすすめのモデルを厳選してご紹介します。
超重要!「シルバーカー」と「歩行器(歩行車)」は別物です
まず、多くの方が混同しがちな「シルバーカー」と「歩行器(歩行車)」の違いから解説します。これは命に関わるほど重要なポイントです。
- シルバーカー(手押し車)
- 目的: 荷物の運搬、歩行の補助
- 特徴: 体重をかけずに「押して」歩くもの。荷物を入れたり、座面で休憩したりできます。
- 対象: 杖なしでも自立して歩けるが、荷物があると大変・少し疲れる方。
- 歩行器(歩行車)
- 目的: 体重を預け、転倒を防ぐ
- 特徴: U字型やロレーター型(馬蹄型)で、体重をしっかり預けて歩行するための「医療機器(介護保険の対象になる場合あり)」です。
- 対象: 杖があっても歩行が不安定、体重を預けないと危ない方。
【専門家コメント①:最大のリスク】
専門家: 「ここが一番の間違いやすいポイントです!『歩行が不安定だから』という理由でシルバーカーを買ってしまうと、体重をかけた瞬間に車体が倒れ、大怪我につながります。 シルバーカーは、あくまで『荷物を持たずに歩行を楽しむための補助具』です。もしご本人が体重を預ける必要があるなら、選ぶべきは『シルバーカー』ではなく『歩行器(歩行車)』ですので、絶対に間違えないでください。」
シルバーカー選びで失敗しない!3つのチェックポイント
「自立して歩ける」ことを前提として、以下の3点で絞り込んでいきます。
1. 形状(タイプ)で選ぶ
- ボックス型(座面付き・大容量)
- 特徴: 大きな箱型で、座面が広く、荷物もたくさん入ります。安定性が高いです。
- おすすめな人: 散歩の途中でよく休憩したい人、スーパーでたくさん買い物をする人。
- 弱点: 重くて大きいため、バスや電車に乗るのには不向きです。
- ミドルタイプ
- 特徴: ボックス型とコンパクト型の中間。座面もありつつ、比較的軽量です。
- おすすめな人: 安定感も、持ち運びやすさも欲しいというバランス重視の人。
- コンパクト型(スリム・軽量)
- 特徴: 軽量で、小さく折りたためます。荷物はあまり入りません。
- おすすめな人: 電車やバスによく乗る人、旅行先に持っていきたい人、車に積む人。
2. ブレーキの種類で選ぶ
ブレーキは命を守る最重要機能です。
- 手元ブレーキ(必須): 自転車と同じように、ハンドル部分でブレーキをかけられるか。下り坂では必須です。
- 駐車ブレーキ(ストッパー): 座面に座る時や、バスで手を離す時に、車体が動かないようロックできるか。ロックの方法が簡単か(例:ボタンを押すだけ、レバーを倒すだけ)も重要です。
3. 重さと折りたたみ方
「ボックス型は便利そうだけど、玄関の段差を持ち上げられるか?」という視点が必要です。 ご本人の力や、ご家族がサポートできるかも含めて「重さ」を確認しましょう。また、折りたたんだ時の「幅」が、玄関や車に収まるかもチェック必須です。
【専門家コメント②:現場での選び方】
専門家: 「現場で選ぶ際、私はまず『座面に座りたいですか?』と『バスや電車に乗りますか?』の2点を聞きます。 『座りたい・乗らない』ならボックス型、『座りたい・乗る』ならミドルタイプ、『座らなくていい・乗る』ならコンパクト型、というように絞り込みます。 また、ブレーキは必ず両手で試してもらってください。片麻痺がある方の場合、片手でブレーキ操作とロックができるモデルを選ぶ必要があります。」
【楽天で買える】介護のプロが選ぶおすすめシルバーカー5選
1.【ボックス型の定番】幸和製作所 TacaoF(テイコブ) シプール SICP02
「座りやすさ」「安定感」を重視するなら、このボックス型がおすすめです。
- 特徴: 座面が広く、深く座れるので休憩時に安心です。収納も大容量。
- ブレーキ: 手元ブレーキと、足元の駐車ストッパーが連動していて操作が簡単です。
- 専門家コメント: 「ボックス型の王道モデルです。安定性が高く、座った時もお尻がしっかり収まるので、バス停で待つ時間や散歩の休憩が多い方に最適です。車輪も大きいので、多少の段差も乗り越えやすいのが良いですね。」
2.【ミドルタイプの人気モデル】島製作所 サニーウォーカーSP
安定感と持ち運びやすさの「いいとこ取り」をしたいなら、このミドルタイプが人気です。
- 特徴: 重量が約4.9kgと比較的軽量ながら、座面もしっかり確保されています。
- ブレーキ: 手元ブレーキと駐車ブレーキ(手元のレバー)が連動しています。
- 専門家コメント: 「『ボックス型は重すぎるけど、コンパクト型だと座る時に不安』という方に最適なバランスです。特に車への積み下ろしが多いご家庭では、この『5kg以下』という重さが非常に助かります。」
3.【軽量コンパクト】幸和製作所 TacaoF(テイコブ) ナノンDX CPS02
電車やバスでの移動が多い、アクティブな方にはこのモデルです。
- 特徴: 重さなんと約2.7kg!アルミフレームで非常に軽量。折りたたみも簡単です。
- ブレーキ: 手元ブレーキ・駐車ロック完備。
- 専門家コメント: 「これは『シルバーカー』というより『杖の延長+荷物入れ』という感覚です。最大のメリットはこの軽さ。旅行先や、バスに乗って病院に行く時など、持ち上げる場面が多い方には最強の相棒になります。ただし、体重はかけられませんよ。」
4.【おしゃれさ重視】須恵廣工業 ウォーキングキャリー i(アイ)カート ネオ
「いかにもなシルバーカーは持ちたくない」という、おしゃれな方におすすめです。
- 特徴: 見た目がスタイリッシュなショッピングカート。横押しで使えます。
- ブレーキ: 手元ブレーキ搭載。
- 専門家コメント: 「デザインは本当に重要です。見た目が嫌で外出が億劫になっては本末転倒ですからね。これはパッと見、旅行用のキャリーカートにしか見えません。『歩行補助』というより『おしゃれな荷物持ち』として、お出かけが楽しくなるモデルです。」
5.【番外編・歩行器】もし体重を預けたいなら:幸和製作所 TacaoF(テイコブ) リトルR WAW04
もし「シルバーカーではなく歩行器が必要かも」という方には、こういった選択肢があります。
- 特徴: 体重を預けて歩ける「歩行車(ロレーター)」タイプ。
- ブレーキ: 非常に強力なブレーキと駐車ロックが付いています。
- 専門家コメント: 「これは『シルバーカー』ではありません。『歩行器』です。体重をかけても転倒しない設計になっています。もしご家族が『杖だけではもう危ない』という段階であれば、紹介するべきはシルバーカーではなく、こちらのような歩行器です。」
まとめ
シルバーカーは、ご本人の「自立した歩行」をサポートし、行動範囲を広げてくれる素晴らしいアイテムです。 しかし、選ぶ基準は「デザイン」や「価格」ではなく、「ご本人の身体状況(体重を預けるか?)」と「主な利用シーン(バスに乗るか?休憩するか?)」です。 この記事を参考に、ご本人にピッタリの一台を見つけてあげてください。

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