「親が高血圧と診断された」 「健康管理のために、血圧計を買いたいけど、種類が多すぎて選べない…」
高血圧は「サイレントキラー(静かなる暗殺者)」と呼ばれ、自覚症状がないまま進行し、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞を引き起こします。
ご高齢の方にとって、毎日の「血圧測定」は、命を守るための最も重要な習慣の一つです。
しかし、「どの血圧計が正確なの?」「手首式と腕式、どっちがいい?」と悩んでしまいますよね。
この記事では、「シニアの暮らし快適ガイド」として、高齢者の血圧計選びで失敗しない「3つの鉄則」と、正確で使いやすいおすすめモデルを厳選して解説します。
なぜ「家庭での血圧測定」が重要なのか?
病院での測定だけでは不十分です。
「病院だと緊張して血圧が上がる(白衣高血圧)」 「逆に、病院では正常なのに、早朝だけ血圧が急上昇する(仮面高血圧)」 といった「隠れ高血圧」を見つけるには、リラックスした状態の「家庭での測定」が不可欠だからです。
【専門家の視点】
介護の現場では、毎日のバイタルチェック(血圧・体温・脈拍)を基本中の基本とします。
なぜなら、日々の「小さな変化」に気づくことが、大きな事故(脳卒中など)を防ぐ唯一の方法だからです。
毎朝、決まった時間に血圧を測り、手帳に記録する。
この「ごく当たり前の習慣」こそが、ご本人の健康寿命を延ばし、ご家族の安心につながる、最強の「介護予防」です。
高齢者向け血圧計 選び方3つの鉄則
1. 【最重要】「腕巻き(カフ)式」か「手首式」か
これが最大の分岐点です。結論から言うと、「正確性」を求めるなら「腕巻き(カフ)式」一択です。
- 腕巻き(カフ)式:
- メリット: 腕の太い動脈で測るため、測定値が正確で安定します。医療機関でも標準です。
- デメリット: 洋服(厚手の服)を脱ぐか、腕まくりする必要がある。
- 手首式:
- メリット: 手首を出すだけなので、測定が手軽。
- デメリット: 手首の位置(高さ)が心臓の高さからズレると、測定値が大きく変動(不正確)になります。
【専門家の視点】
測定値が不正確では、毎日測る意味がありません。
私たちは、ご本人によほどの理由(麻痺で腕が巻けない、服の着脱が困難など)がない限り、「腕巻き(カフ)式」を強く推奨します。
特に、カフ(腕帯)が巻きやすいように工夫された「e-フィットカフ」のようなモデルが、シニアには最適です。


2. 操作は「ワンプッシュ」&「大画面」
ご本人が一人で使えることが重要です。
「電源ボタン(測定ボタン)」が大きく、ワンプッシュで測定が開始できること。
そして、測定結果(最高血圧・最低血圧・脈拍)が、バックライト付きの「大画面」にハッキリ表示されることを確認してください。
3. 「メモリ(記録)機能」
測った数値を、その都度手書きでメモするのは大変で、続きません。
最低でも「1人分×90回」以上、できれば「2人分(ご夫婦)×100回」などのメモリ機能があると、通院時に医師に「血圧手帳」としてそのまま見せることができ、非常に便利です。
万が一に備える「日々の記録」
毎日の血圧測定は、「万が一」を防ぐための重要な「お守り」です。 もし、測定した血圧が異常に高い(または低い)日が続くようなら、それは体からのサインかもしれません。
日々の健康管理と合わせて、「もし親が倒れたら?」という緊急時の対応についても、一度シミュレーションしておくことが大切です。
【介護のプロが解説】親が倒れた!救急車を呼ぶ?まず何から手をつけるべきか
【楽天で買える】正確で簡単な「血圧計」おすすめ3選
血圧計は、世界的に信頼されている「オムロン(OMRON)」「パナソニック(Panasonic)」「テルモ(TERUMO)」の3大メーカーから選べば間違いありません。
1.【王道・巻きやすい】オムロン (OMRON) 上腕式血圧計 (HCR-7502Tなど)
「血圧計で迷ったら、まずオムロン」と言われる、日本のトップブランドです。
- 特徴: 「e-フィットカフ」という特殊な腕帯を採用。片手で、誰でも簡単に「正しい強さ」で巻くことができます。
- 機能: 2人分のメモリ機能、バックライト付き大画面、スマホ連携(Bluetooth)モデルも豊富。
- 専門家の視点: 「シニアの測定で一番の失敗は『カフ(腕帯)が緩い・きつい』ことによる測定ミスです。オムロンのこのカフは、その失敗を物理的に防いでくれるため、誰が測っても正確な値が出やすい。信頼性を求めるなら筆頭候補です。」
2.【使いやすさ・大手】シチズン (CITIZEN) 上腕式血圧計 (CHUG/CHDFなど)
時計でおなじみ「シチズン」も、血圧計の大手メーカーです。シンプルな操作性が人気です。
- 特徴: 「
シチズン 血圧計 上腕式」で検索すると、多くのモデルが見つかります。操作ボタンが大きく、誰でも使いやすいシンプルな設計が特徴です。 - 機能: 2人分メモリ機能や、巻きやすい「薄型カフ」など、必要な機能はしっかり搭載されています。
- 専門家の視点: 「『シチズン』は、オムロンやテルモと並ぶ信頼できるメーカーです。特に『シンプルさ』を追求したモデルが多く、余計な機能は要らない、というご家庭に選ばれています。時計メーカーならではの『正確さ』へのこだわりも安心ですね。」
3.【静か・肌に優しい】テルモ (TERUMO) 上腕式血圧計 (ES-W5200ZZなど)
病院の体温計などでもおなじみ「テルモ」のモデル。測定中の「快適性」が違います。
- 特徴: 測定中の「ブーッ」というモーター音が非常に静か。カフの圧迫感もソフトです。
- 機能: 2人分メモリ機能。腕に優しい「スロー加圧」が選べるモデルも。
- 専門家の視点: 「血圧計の『圧迫される感じが苦手』『音がうるさくて朝から不快』という方は、意外と多いです。テルモの血圧計は、その『不快感』を徹底的に減らしてくれます。毎日使うものだからこそ、この『快適さ』は継続の鍵になります。」
まとめ
高血圧の治療は、「薬を飲むこと」と「毎日、家で測ること」がセットです。
ご自身の健康状態を「見える化」するために、正確で使いやすい「腕巻き(カフ)式」の血圧計を、ぜひ一家に一台、備えてください。

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