【介護のプロが解説】親が倒れた!救急車を呼ぶ?まず何から手をつけるべきか

ある日突然、親が倒れた。 その時、あなたは冷静に行動できるでしょうか?

「まず救急車?それとも親戚に連絡?」 「意識はあるか?呼吸は?」

パニックになり、何をどの順番で行うべきか分からなくなるのは当然のことです。 しかし、その最初の数分間の行動が、その後の回復を大きく左右することもあります。

この記事では、「シニアの暮らし快適ガイド」として、万が一の緊急事態に「まず何から手をつけるべきか」を、介護のプロの視点から「やるべきことリスト」として時系列で解説します。

親が倒れた!まずやるべき「3つの確認」

親が倒れているのを発見したら、慌てて体を揺さぶってはいけません。 まず、119番通報の準備をしながら、以下の3点を確認します。

1. 意識の確認

「お父さん!」「お母さん!」と、耳元で大きな声で呼びかけます。 同時に、肩を優しく叩き、反応があるかを確認します。

2. 呼吸の確認

胸やお腹が上下に動いているか、息をしている音(スースー、またはゼーゼー)が聞こえるかを確認します。 (10秒ほどかけて確認します)

3. けいれん・出血の確認

けいれんしているか、頭などから出血していないかを確認します。

【専門家の視点】 この3つの確認は、119番に電話した際、通信指令員から「必ず聞かれる」ことです。 「意識はありますか?」「呼吸はしていますか?」と聞かれた時に、この情報があるかないかで、救急車の対応(ドクターヘリの要請など)が変わってきます。 パニックになっても、まずこの3点だけは確認してください。

119番通報(救急車)で「伝えるべきこと」

上記の3点を確認したら、すぐに119番に電話します。 伝えるべきことは、以下の5点です。

  1. 「救急です」(火事か救急かを聞かれます)
  2. 住所・場所(例:「〇〇市〇〇町1-2-3の、〇〇(親の名前)の自宅です」)
  3. 倒れた人の状況(例:「70代の母が倒れています」「意識がありません」「呼吸はしていますが、苦しそうです」)
  4. あなたの名前と電話番号
  5. (可能なら) 持病(既往歴)やかかりつけの病院

【専門家の視点】 住所が分からないと、救急車は絶対に来られません。ご実家の住所が分からない方は、この機会に必ずスマホに登録しておきましょう。 また、電話は救急隊員から「もう切ってもいいですよ」と言われるまで、絶対に切らないでください。電話口で心肺蘇生(胸骨圧迫)の方法などを指示してくれる場合があります。


「その後」のために備えておくこと

救急車を待つ間、または病院での処置が落ち着いた後、すぐに「介護」の問題が始まります。 命は助かったけれど、麻痺が残った。認知症が進行した。 その場合、「介護保険」の申請が必要になります。

突然の事態に備え、「介護保険とは何か」も知っておくと、その後の手続きがスムーズです。


救急車を待つ間に「準備するものリスト」

救急隊員が到着するまでの間に、もし余裕があれば、以下のものを準備しておくと、病院での手続きが非常にスムーズです。

  • 健康保険証
  • (あれば)介護保険証
  • (あれば)お薬手帳 または、今飲んでいる薬そのもの
  • かかりつけ医の診察券
  • 本人の現金・クレジットカード(入院費の支払い用)
  • 本人の着替え・下着(そのまま入院になる可能性があるため)
  • あなたのスマホの充電器

【専門家の視点】 この中で特に重要なのが「お薬手帳」です。 飲んでいる薬(特に血圧や糖尿病の薬)は、治療方針を決める上で最も重要な情報の一つです。保険証とお薬手帳だけは、何があっても持って病院に行ってください。

まとめ

「親が倒れた」時、慌てない人はいません。 ですが、「まず意識と呼吸を確認する」「119番で状況を伝える」「保険証とお薬手帳を持つ」という流れを知っているだけで、救える命、防げる後遺症があります。 この記事を、万が一の「お守り」として、頭の片隅に置いておいていただけると幸いです。

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