「お正月だから、お餅くらい食べさせてあげたい」
その親心が、最悪の事故を招くことがあります。
私たち介護現場の人間にとって、1月は「お餅による窒息事故」のニュースに最も神経を尖らせる時期です。
「うちはまだ元気だから大丈夫」
そう思っていたご家庭ほど、事故は起きています。
しかし、結論から言えば「お餅は工夫次第で安全に食べられます」。 今回は、介護の専門家である私が実家でも実践している「高齢者がお餅を詰まらせないための便利グッズ」と、絶対に守るべき鉄則をご紹介します。
なぜ高齢者は「お餅」を詰まらせるのか?意外な原因
「よく噛めば大丈夫」だと思っていませんか? 実は、高齢者特有の「2つの変化」が大きなリスクになっています。
1. 「温度」で急激に硬くなる
これが見落とされがちです。
お餅は、お椀から出して口に入れた瞬間、体温で冷やされて急激に硬くなります。
若い人は唾液で滑らせて飲み込めますが、唾液が減った高齢者の口の中では、お餅が「ゴムのような粘着物」に変わり、喉に張り付いてしまうのです。
2. 「喉の感覚」が鈍くなっている
高齢になると、喉の奥に物が詰まっていても気づきにくくなります。
「苦しい」と声を出せないまま、静かに窒息してしまうのがお餅事故の恐ろしいところです。
普通の切り餅はNG!介護現場で選ばれる「安全なお餅」3選
リスクを減らす一番の近道は、「詰まりにくい商品」を選ぶことです。
スーパーやネットで買える、プロ推奨のアイテムを紹介します。
① アイリスオーヤマ「スリット(切り込み)入り」生きりもち
一見普通のお餅ですが、表面に細かい切り込みが入っています。
これにより、「噛むと細かく砕けやすい」「煮るとドロっと溶けやすい」のが特徴です。
「お雑煮に入れたいけど、普通の餅は怖い」という場合、これに変えるだけでリスクは激減します。
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② アサヒグループ食品「バランス献立」シリーズ
キユーピーと並ぶ介護食のトップブランド、アサヒの「バランス献立」シリーズです。
特におすすめなのが、お餅のような食感を安全に再現した「おしるこ」などのメニュー。
お餅特有の「喉への張り付き」を徹底的に抑え、舌でつぶせる柔らかさ(UDF区分)に調整されています。
「普通のお餅は怖くても、やっぱりお正月らしい甘いお餅が食べたい」
そんな親御さんに、デザート感覚で出せるので非常に喜ばれます。
袋を開けて温めるだけの手軽さと、ビタミンなどが補給できる栄養面も、アサヒならではのメリットです。
③ お助けアイテム「とろみ剤」
お雑煮の汁(スープ)自体に、少しだけ「とろみ」をつけてみてください。
汁にとろみがあると、お餅がスルッと喉を通りやすくなり、誤嚥(むせ)も防げます。
どうしても「普通のお餅」を食べる時の3つの鉄則
もし普通のお餅を食べるなら、以下の3つを必ず守ってください。
これは「命を守るルール」です。
- 一口サイズ(1cm角など)に小さく切る
- 焼いてから切るのではなく、切ってから調理してください。
- 食べる前に「水分」で喉を潤す
- 乾いた喉にお餅を入れるのは自殺行為です。必ずお茶や汁物を先に飲んでもらってください。
- 絶対に「一人」で食べさせない
- 事故は一瞬です。誰かが見守れる時だけ出してください。
まとめ:安全な準備で、楽しいお正月を
お正月の事故は、事前の準備で防げます。
「危ないから禁止」と取り上げるのではなく、便利なグッズを使って「安全に楽しむ」のが、私たち子世代のできる親孝行です。
今年のお正月は、ぜひ安全なお餅を用意してあげてください。
追伸: 「おせちやお雑煮の準備だけで疲れそう…」という方は、無理をせず「宅配弁当」を活用するのも賢い手です。
年末年始くらい、家事を休んで親御さんとゆっくり話す時間を作りませんか?
★今回紹介した便利グッズまとめ 私が実際にチェックした商品は、楽天ROOMにまとめています。こちらも参考にしてください。

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