「親が倒れて、退院後に介護が必要になった…」
「『介護保険』という言葉は聞くけど、何から手をつければいいか分からない!」
「申請は、どこに行けばいいの?」
ある日突然、「介護」は始まります。
10記事目(親が倒れた時)で解説した緊急時対応が終わり、命が助かった後、すぐに「在宅介護をどうするか」という現実的な問題が始まります。
介護サービス(デイサービス、ヘルパー、車椅子のレンタルなど)を利用するには、まず「介護保険」の申請をし、「要介護認定」を受ける必要があります。
この記事では、「シニアの暮らし快適ガイド」として、複雑で分かりにくい「介護保険の申請」について、介護のプロの視点から「やるべきこと」を5つのステップで徹底解説します。
ステップ1:【相談】まず「地域包括支援センター」に行く
「介護保険の申請」と聞いて、いきなり「市役所(区役所)」の窓口に行くのは、あまりおすすめしません。
あなたがまず行くべき場所は、お住まいの地域(中学校区ごとなど)に必ず設置されている「地域包括支援センター(ちいきほうかつしえんセンター)」です。
- なぜ?: ここは、高齢者介護の「総合相談窓口」です。「介護保険の申請代行」だけでなく、「近所にどんなデイサービスがあるか?」「今、家族が一番困っていること」など、介護に関するあらゆる相談に無料で乗ってくれる「介護のプロ(ケアマネジャー、社会福祉士など)」がいる場所だからです。
- どう探す?: Googleで「(お住まいの市区町村名) 地域包括支援センター」と検索すれば、担当エリアのセンターの場所と電話番号が必ず見つかります。
一人で(家族だけで)抱え込まないで
【専門家の視点】
介護は「情報戦」です。
そして、一人で戦うものではありません。
介護保険制度は非常に複雑で、ご家族がすべてを理解するのは不可能です。
「地域包括支援センター」は、あなたの「介護のチームメイト」になってくれる場所です。
「申請が面倒」という理由で介護保険を使わないと、サービス利用料が「全額自己負担(10割)」になり、あっという間に家計が破綻します。
介護保険を使えば、自己負担は原則「1割」(所得に応じて2〜3割)で済みます。
「まず、地域包括支援センターに電話する」 これだけを覚えてください。

ステップ2:【申請】申請書を提出する
「地域包括支援センター」に相談すれば、申請書の書き方や提出もサポート(代行)してくれます。
- 必要なもの:
- 申請書(窓口でもらえます)
- 介護保険証(65歳以上なら全員持っています。オレンジ色や緑色の紙です)
- 健康保険証(64歳以下で、特定の病気(※)により申請する場合)
- (あれば)主治医の「意見書」

ステップ3:【調査】認定調査員が自宅に来る
申請を出すと、後日、市区町村の「認定調査員」がご本人のご自宅(または入院先)に訪問し、「聞き取り調査」を行います。
- 何を聞かれる?: 「食事は一人でできますか?」「服は一人で着替えられますか?」「立ち上がれますか?」といった、日常生活の動作についての74項目のチェックリストです。
- 【重要】 ご本人は、調査員の目の前では「まだ大丈夫」「自分でできる」と、見栄を張って(実際より良く)答えてしまいがちです。 必ずご家族が同席し、「実際は、お風呂は週に2回しか入れていません」「夜中にトイレに間に合わないことがあります」といった、「普段の、ありのままの姿」を、調査員に正確に伝えてください。
ステップ4:【判定】「要介護度」が決定・通知される
調査結果と、主治医の「意見書」をもとに、「介護認定審査会」が開催され、ご本人の「要介護度」が決定されます。
(※要介護度は「非該当(自立)」「要支援1〜2」「要介護1〜5」の8段階です) 申請から約30日後に、結果が「介護保険証」と共に郵送で届きます。
ステップ5:【計画】ケアプランを作成し、サービス利用開始
「要介護1」などの認定が出たら、いよいよサービス利用開始です。
- どこに頼む?: 「地域包括支援センター」や、ご自身で選んだ「居宅介護支援事業所」のケアマネジャーに、ケアプラン(どのサービスを週に何回使うかという計画書)の作成を依頼します。
- 料金は?: ケアプランの作成費用は無料(全額介護保険でまかなわれる)です。
介護保険で利用できるサービスには、「デイサービス」や「ヘルパー」だけでなく、「介護用品のレンタル」も含まれます。
例えば、「杖(つえ)」は購入が基本ですが、「歩行器」や「車椅子」、「介護用ベッド」などは、要介護度に応じて、介護保険で1割負担でレンタルすることが可能です。
(※ただし、シルバーカーは「購入」が基本です。シルバーカーと歩行器の違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています)
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まとめ
「親の介護が始まったら、まず何をすべきか?」 その答えは、「(市区町村の)地域包括支援センターに電話する」です。
一人で抱え込まず、介護保険制度という「社会のサポート」を最大限に活用し、ご家族とご本人の負担を減らしましょう。

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