【介護のプロが解説】認知症の見守りカメラは必要?失敗しない選び方とおすすめモデル

「離れて暮らす親が、ちゃんと生活できているか不安…」 「最近、認知症の初期症状が出てきて、一人で留守番させるのが心配…」

ご家族の「万が一」を考えると、不安は尽きませんよね。 そんな不安を、技術の力で大きく軽減してくれるのが「見守りカメラ(ネットワークカメラ)」です。

しかし、 「監視しているみたいで罪悪感がある…」 「種類が多すぎて、どれがいいか分からない」 という声も多く聞かれます。

この記事では、「シニアの暮らし快適ガイド」として、認知症のご家族を見守るためのカメラは「なぜ必要なのか」、そして「失敗しない選び方」を、介護の視点で徹底解説します。

「監視」ではなく「お守り」という考え方

見守りカメラの最大の導入ハードルは、「監視されている」というご本人(とご家族)の心理的な抵抗です。

ですが、その目的は「監視」ではありません。 「ご本人の尊厳ある一人の生活」と「ご家族の安心」を両立させるための、現代の「お守り」です。

【専門家の視点】 介護の現場では、転倒や徘徊、火の不始末など「予期せぬ事故」をいかに防ぐかを常に考えています。 見守りカメラは、この「万が一」に即座に気づくための最強のツールです。

実際にカメラを導入したご家族からは、「親も『何かあったらすぐ来てくれる』という安心感があるようだ」「『監視』と思っていたが、むしろ電話をかける回数が減り、お互いのストレスが減った」という声が圧倒的に多いのです。

認知症の見守りカメラ 失敗しない選び方4選

ただの「ペットカメラ」や「防犯カメラ」と、高齢者見守り用では、必要な機能が違います。

1. 「会話機能(双方向通話)」は必須

カメラ映像を見るだけでなく、スマホから声がけできる機能は必須です。 「おーい、お薬飲んだ?」と確認できるだけでなく、万が一、転倒して動けない時でも「今、救急車呼ぶからね!」と声をかけて安心させることができます。

2. 「プライバシー」への配慮(レンズカバー機能)

ご本人が「着替えている時」や「来客中」に、ずっと見られているのは嫌なものです。 「プライバシーモード」や「レンズシャッター」(物理的にレンズを隠す機能)が付いているモデルなら、お互いの尊厳を守れます。

3. 「暗所(夜間)撮影」機能

事故は夜間に起こることも多いです。 部屋が真っ暗になっても、赤外線などで白黒映像がしっかり映る「ナイトビジョン(暗視)機能」があるかを確認しましょう。

4. 月額費用(ランニングコスト)

カメラ本体代だけでなく、「録画データをクラウドに保存する」ために月額料金がかかるモデルが多いです。 「月額いくらかかるのか」「SDカードに録画できる(月額無料)タイプか」は、必ず確認しましょう。


カメラと合わせて「室温・湿度」もチェック

見守りカメラで「転倒」や「徘徊」に気づくことは重要ですが、もう一つ、ご本人が気づきにくい危険が「室内の環境」です。 高齢者は温度を感じにくく、冬の「ヒートショック」や夏の「熱中症」に気づかないことがあります。

見守りと同時に、「快適な湿度」を保つことも重要です。 安全な加湿器の選び方については、こちらの記事も参考にしてください。

【介護視点で選ぶ】高齢者におすすめの加湿器は?安全・手入れが簡単なモデルを厳選


【楽天で買える】高齢者見守りにおすすめのカメラ3選

1.【バランス最強の定番】SwitchBot (スイッチボット) 見守りカメラ 3MP

「スマートホーム」の定番、SwitchBotのカメラです。高機能とコスパのバランスが最強です。

  • 特徴: 300万画素と高画質。プライバシーモード搭載(レンズが物理的に隠れる)。
  • 機能: 双方向通話、暗視機能、動体検知アラートなど、必要な機能が全て揃っています。
  • (専門家コメント): 「SwitchBotの強みは『連携』です。将来的に『室温計』や『ドア開閉センサー』を買い足せば、すべて同じアプリで管理できます。『カメラ』から始めて『家全体の見守り』に拡張できるのが最大のメリットです。」

2.【首振りで死角なし】TP-Link Tapo C210

世界シェアNo.1のネットワーク機器メーカー「TP-Link」のモデル。首振り機能が便利です。

  • 特徴: スマホ操作でカメラが「水平360°」「垂直114°」動きます。1台で部屋全体を見渡せます。
  • 機能: 双方向通話、高画質ナイトビジョン搭載。SDカード録画(月額無料)に対応。
  • (専門家コメント): 「『親が部屋のどこにいるか分からない』という不安には、この首振り機能(パンチルト機能)が非常に有効です。キッチンもリビングも見渡せる場所に1台設置すれば、コストパフォーマンスが最も高いです。」

3.【会話特化・カメラなし】BOCCO emo (ボッコ エモ)

「カメラは、やっぱり抵抗がある…」というご家庭への、最終回答がこちらです。

  • 特徴: カメラではなく「可愛いロボット」です。
  • 機能: 家族がスマホで送った「テキスト(文字)」を、このロボットがご本人の声で「読み上げて」くれます。ご本人も、ロボットに話しかけるだけで「音声メッセージ」をご家族のスマホに送れます。
  • (専門家コメント): 「これは『見守り』というより『コミュニケーション』に特化したツールです。しかし『声を聞く』ことは、映像と同じくらい重要です。毎朝『おはよう』とメッセージを送るだけで、ご本人の安心感が全く違います。カメラの前の第一歩として、最適解かもしれません。」

まとめ

見守りカメラは、ご家族の「不安」を「安心」に変え、ご本人の「自立した生活」を長くサポートするための「お守り」です。 ご家族の性格や家の状況に合わせて、最適な「見守りの形」を見つけてください。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です