「エアコンで暖房しているのに、なぜか部屋が寒い…」 「冬になると、窓の結露(けつろ)がひどくて、カビが心配…」
その「寒さ」と「結露」、原因は「窓」です。 冬場、部屋の暖かい空気の約58%は、「窓」から逃げていくと言われています。
つまり、いくらエアコン(暖房)をガンガンかけても、穴の空いたバケツに水を入れるように、暖房費(電気代)が外に捨てられている状態なのです。
この記事では、「シニアの暮らしガイド」として、冬の暖房効率を劇的に上げ、電気代を節約する「窓の防寒対策」と、高齢者の健康を害する「結露対策」を、介護の視点も交えて解説します。
「窓際の冷え」がヒートショックの引き金に
【専門家の視点】 21記事目(脱衣所ヒーター)で「ヒートショック」は『脱衣所と浴室の温度差』で起きると解説しました。
しかし、危険なのはそこだけではありません。
暖房の効いたリビングでも、「窓際」だけは外気で冷やされ、局所的に「寒いエリア」が生まれます。
この「リビング内の温度差」も、血圧の変動を引き起こす、隠れたヒートショックのリスクなのです。
「窓」の断熱対策は、「電気代の節約」だけでなく、ご家族の「健康(命)」を守るためにも非常に重要です。
工事不要!今すぐできる「窓の防寒」対策3選
高価な「二重窓(内窓)」のリフォームをしなくても、数千円でできる対策はたくさんあります。
1.【最強の対策】「断熱カーテン(遮光カーテン)」に替える
これが最も簡単で、効果も絶大です。
- 特徴: 分厚い生地や、特殊なコーティングが施されたカーテン。
- 機能: 窓と部屋の間に「空気の層」を作り、冷気の侵入と、暖気の流出を両方防ぎます。
- 選び方:
- 必ず「床にギリギリつく長さ(または床より1cm長い)」を選びます。(※短いと、隙間から冷気が流れ込みます)
- 「遮光1級」などの「遮光カーテン」は、生地が厚く、断熱効果も高いのでおすすめです。
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2.【貼るだけ】「窓用 断熱シート(プチプチ)」
「カーテンを買い替えるのは大変」という方には、窓に「貼る」タイプが安価です。
- 特徴: あの「プチプチ(緩衝材)」に似たシートを、水だけで窓ガラスに貼り付けます。
- 機能: プチプチの「空気の層」が、窓ガラスの冷たさを直接部屋に伝えるのを防ぎます。結露の防止にも非常に効果的です。
- 専門家の視点: 「これは安価ながら効果絶大です。特に、暖房器具を置いていない『北側の部屋』や、結露がひどい『寝室』の窓に貼るのがおすすめです。カビの発生を抑えることは、高齢者の呼吸器疾患(アレルギー、肺炎)の予防にも直結します。」
3.【床に置くだけ】「冷気ストップパネル(ボード)」
「カーテンは替えたくない」「窓に貼るのも面倒」という方への、最後の手段です。
- 特徴: 発泡スチロール製の「ついたて(ボード)」を、窓際の床に立てて置くだけ。
- 機能: 床から伝ってくる「隙間風(冷気)」を物理的にブロックします。
- 専門家の視点: 「これは、特に『掃き出し窓(床まである大きな窓)』に有効です。足元に流れ込む冷気をせき止めるだけで、体感温度(特に足元の冷え)がかなり変わります。転倒しないよう、設置場所だけ注意してください。」
対策をしたら「エアコン」の設定を見直そう
これらの「窓」対策を行うと、部屋の断熱性が上がり、暖房効率が劇的に改善します。 つまり、今までと同じエアコンの設定温度(例:22℃)では、暑すぎるかもしれません。
暖房効率が上がった分、エアコンの設定温度を「1℃」下げてみましょう。 それこそが「快適さ」と「電気代の節約」を両立させる、最強の組み合わせです。
【高齢者のエアコン暖房「つけっぱなし」はNG?電気代と適切な使い方を介護視点で解説
まとめ
冬の電気代節約は、「エアコン」を我慢することではありません。
最大の弱点である「窓」を塞ぎ、暖房効率を上げることが本質です。
数千円の「断熱シート」や「カーテン」への投資で、その冬の電気代(数万円)が確実に安くなり、ご家族の健康(ヒートショック予防)も守れます。

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